ハイパープレイヤー列伝 第1回


ハイパープレイヤー列伝 第1回

~2010年闘劇’10優勝者 GO1氏インタビュー~

 

私がハイドラGPを企画した理由

2011年11月13日は私、真鍋にとって、生涯忘れられない日になるであろう。
ハイドラGPの第1回大会が全国で開催される日。

ハイドラGPの構想自体は数年前から温めていた。そして、闘劇’10の予選が始まった2010年5月、
私は闘劇’10に参加する店舗に連絡を取り、その運営者たちといろいろな話をした。
昨今のゲーセン不況から、大型筐体へのシフト、ゲーセン経営は簡単ではない。
ただ、全国レベルの大会である闘劇は、現在の小規模ロケにとっては重要なイベントである。
かねてより、ゲーム開発の末期に話するテストプレイヤーから、大会の重要性をよく聞かされた。
「大会終わったから、やる気出ないですよ~~~」

このとき、私の心のなかで接点同士がつながり火花がはじける音がした。
闘劇をゴールとする、1年を通じて戦いの場を作ることが、店舗にとってもプレイヤーにとっても
重要なこと。そして、私とエコールはメルティブラッドという得がたい作品を通じて
それを実現できる立場にある。
心は決まった。あとはシステムを最適化し、さまざまな団体に根回しを行い、
そしてでてきたパーツをくみ上げること。
20年近くやってきたゲーム制作と同じ作業。それがハイドラGPの立ち上げだった。

  

闘劇’10決勝戦

今年はエコールのスタッフを連れて決勝戦を見に行った。
同行したのはブログでおなじみのアニッタ軍曹、それとテストプレイヤーのモスクワ氏。
兵庫県から幕張まで600キロを8時間で走る強行スケジュール。
モスクワ氏の運転は、そのプレイスタイルと同様にトリッキーで破滅的だ。
我々は予定よりずいぶん早く、まだ夜も明けきっていない幕張の空の下にいた。
以前より、有力プレイヤーとしてGO1氏のことはモスクワ氏より話を聞いていた。
実力的には一段上のレベルにいるとのこと。
エコールでテストプレイをここ2年くらいやってくれている氏も決勝に出ている。

テストプレイヤーとして相当のプレイ時間を確保したコウ氏が勝つのか、
下馬評通り、GO1氏が勝つのか、興味深いところであった。
そして、決勝は予想通りGO1氏のチームが優勝。コウ氏は残念ながら敗退した。

表彰式でのコメントを聞いても、GO1氏の強さの秘密はその片鱗も掴めなかった。
そのとき私は決心した。ハイドラGPをスタートしたら、GO1氏を最初に呼ぼうと・・・
そうして、私が自分自身の口からGO1氏の強さの秘密を聞きたい。

  

ハイドラGPスタートへの布石

ハイドラGPは大変祝福されたスタートを切ったと思う。
最初は、闘劇実行委員長の猿渡氏の全面的な協力が得られたこと。
猿渡氏は、打ち合わせの中で1時間以上も今後のアーケードゲーム隆盛のための方法論について
私に熱弁をふるってくれた。とにかく、熱い、溶けそうに熱い男だ。

そして、セガ。今となっては最大級のアーケードゲーム店舗を保有する、もちろんみんなも知っている会社。
私の怪作、デスクリムゾンを飲み込み、リリースさせてくれた会社でもある。
セガも協力を約束してくれた。

そして、ゆず爺氏、関東最強決定戦をこれまで3年にわたって運営している人物だ。
忙しい仕事の合間で大会運営は、計り知れない苦労があっただろう。
ゆず爺と面談し、私はすぐに協力することを決めた。
ゆず爺に並々ならぬ熱意を感じたからである。

  

ハイドラGPネットについて

私はかねてより、ハイドラGPを運営するには大会自身も重要だが、それをささえ、束ねる
後方支援組織の重要性を痛切に感じていた。そのために選んだのがSNSのシステム。
それも、既存のmixiやgoogleなどのシステムを使ったのでは、私の理想とする
ランバト大会の構築が難しいだろう。困難を覚悟の上、自前でサーバーをもち
SNSシステムを構築することにした。
3ヶ月の格闘の後、ハイドラGPネットは完成した。

私はスタッフに行った。「時は来た、GO1氏を呼ぼう。今はそれだけだ」
そして、数日後、GO1氏はやってきた。

  

緻密な時間の感覚

約束の時間は14時。私はそれまでのメールのやり取りで、きっと予想を超えるレベルで
現れると感じていた。奇抜な格好だろうか、それとも、いきなり会社に現れるか・・・
時計を見ながら14時を待った。そして、時計の秒針が長針と重なる瞬間、電話がなった。
この時間の感覚、これがGO1氏の強さの一部だと確信した。

現れたGO1氏はにこやかな好青年だった。学生にアドバンテージがあるという格闘ゲーム界で
社会人でありながら圧倒的な強さを見せるGO1氏。
これから続くプレイヤーのために、GO1氏の強さの秘密を聞き出そう。

  

大会が始まる前から勝負が始まっている

真鍋 :いやあもう、活躍は聞いております。「闘劇’10」は私も見に行ってたんですが、圧勝でしたね。

GO1:まあ、危ないところもありましたけど、決勝、準決勝は(笑)。

真鍋 :GO1さんの強さには、カンみたいな曖昧なものじゃなくて、もっと論理的に裏打ちされたものが
    あると感じるのですが。これまで戦った時のプレイなどは覚えていますか?

GO1:野試合では結構覚えてるんですけど、大会の内容は、正直かなり上がってしまうタイプなので(笑)、
    あまり覚えてないかもしれません。

真鍋 :じゃあ野試合は、だいたいどこでどんな感じで誰とやったとか、この人は1ラウンド目から飛ばしてくるぞ!、
    といったところまで把握していると?

GO1:そうですね。それに、この人ならこれが絶対当たる、っていう場面があるんですけど、それを隠しておいて、
    大きな大会の時にそれを当てる、とか(笑)。

真鍋 :今のはちょっと書かない方がいいかもしれませんね(笑)。

GO1:大丈夫です(笑)。

真鍋 :やっぱり、そいうところでもう、優勝戦以前に、勝負は始まっているというか、終わっているんですね(笑)。

GO1:結構みんな、する人はいますけど(笑)。

真鍋 :そうですか、じゃあやっぱりGO1さんの強さというのは、事前の準備といいますか、戦う前に既に、
    綿密に相手の弱点を知っておくと。

GO1:そうですね。

真鍋 :ということは、たとえば戦ったことのない海外勢とか、それまで情報のない人と戦うというのは、
    なかなかあれですね、難しいというか、怖い部分はありますね。

GO1:その場合は本当に、キャラ対策と、あとはもう、リスクを抑えた立ち回りですね。

真鍋 :相手の力も引き出しながら、ちょっと上回って勝つみたいな?

GO1:そうですね、1ラウンド目は相手の動きの様子見を混ぜて戦って、2ラウンド目からきっちりそれを対処する、
    という形でなんとか勝つと。

真鍋 :やっぱりあれですね、GO1さんと戦えば戦うほど、どんどん一般のプレイヤーは負ける確率が
    高くなっていくことになりますね(笑)

GO1:(笑) まあ、関西勢は結構勝ってますね。

真鍋 :実力的に1ランク上と感じますが、他のプレイヤーとはどこが違うのでしょうか?

GO1:リスクの管理と、アドリブ力、あとはガードしている時の反応力だと思います。中段のガードとか。

私はGO1氏の強さの根源を理解した。やはりそれは、類まれな時間への正確さ。
言い換えれば日々の1秒1秒を命のやりとりに変えながらすべての生活を組み立てている。
GO1氏に勝つためには、日常生活のすべてを勝つための修練にあてることが必須だろう。

  

コウ氏との関係

穏やかに話していたGO1氏、私は闘劇08年優勝者で、メルブラのテストプレイヤーでもあるコウ氏の話を聞いた。
コウ氏の名前を口にしたとたん、GO1氏の眼光が鋭くなるのを感じた。

真鍋 :2008年「闘劇」優勝者のコウさんには、何か思うところはありますか? エリアも近いようですし…。

GO1:コウさんとは家が結構近くなので、よく遊んだりします。昔はかなり尊敬している人だったんですけど、
    今でしたらまあ、ただのペットです(笑)。

もちろん、これがGO1氏のサービストークであることは明白だ。ここまでの会話のなかにコウ氏へのリスペクトが感じられていた。
このとき私は理解した。GO1氏はライバルを欲していると。コウ氏と私はもう数年仕事をしているが、
コウ氏のテストプレイに関する魔性の感性には何度も助けられた。
理屈ではない、とにかくバグがありそうなところを気配で察知しそこを徹底的にやりこみ、予定通りバグを見つける。
それがコウ氏のデバッグスタイルであった。コウ氏とGO1氏はプレイスタイルが異なっていることを私はこのとき感じた。
であるがゆえに、GO1氏は魂のプレイヤーであるコウ氏を意識しているように見えた。

既に、今日のテーマはクリアした。今日のGO1氏へのインタビューは、GO1氏の謎を解くことではない。
GO1氏を倒すことを目指し、それに向かって無比な努力をするプレイヤーに対してメッセージを送ること、
それが目的であり、それは既に達成した。若いプレイヤーたちよ、強くなれ、そしてGO1氏を倒せ。

ここからは、気楽な世間話である。すでにGO1氏は先ほどの鋭い眼光は消しさっていた。

真鍋 :始めてプレイした格闘ゲームは?

GO1:子供の頃に遊んだ「ストリートファイター2」(スーパーファミコン)です。エドモンド本田を使って、必死に
    ボタン連打したんですが、どうーしてもバルログが倒せませんでした。

真鍋 :メルブラで初めて選んだキャラは?

GO1:都古です。小さいキャラは強いと思って選んだんですが、秋葉の方が強かったですね(笑)。

真鍋 :今まで倒したプレイヤーの数を数えると千人切り達成してるのでは?

GO1:他のゲームと合わせたら、たぶん1000人は達成していると思うんですけど、メルブラだけだと、どうでしょうか。
    でも、1000人は近い…かもしれませんね。

真鍋 :GO1さんを倒すぐらい強くなるには、どうしたらいいですか?

GO1:うーん、難しいですね。僕以上にやり込んで、僕以上に反応力良くなって…。自分を倒すのを考えるのは難しいですね。

真鍋 :コントローラーに拘りは?

GO1:特にないですけど、柔らかいレバーはちょっと苦手です。勝手に上に入ってしまったりするので。

真鍋 :対戦相手が台バンしてきたら?

GO1:おいおい、大丈夫? 何怒ってんの? ゲームだよ?って言います(笑)。それでゲームで勝負を付ける、と。基本的には。

真鍋 :ちなみにそうやって怒りモードで戦ったら、一回も触らせずにメタメタにやっつけたりできます?

GO1:もう、普通にできます(笑)。

真鍋 :怒ってもプレイスタイルは変わらないわけですね(笑)

GO1:まあ(笑)。

真鍋 :メルブラで絶対使いたくないキャラはいますか?

GO1:全キャラ使えますけど、1つ選べと言われましたら、猫アルクですね(笑)。

真鍋 :そもそもあれ使ったら勝てませんもんね(笑)。でも、どうなんですかね、GO1さんが猫を使ったら、
    いわゆる店舗大会レベルで言うと、どのくらいまで行けそうな気がしますか?

GO1:普通に上まで行けると思うんですけど。バックステップと解放が早くて、火力もあるんで、結構うまくやったら
    いけるんじゃないかなーと思うんですけど…使ってみると無理ですが(笑)。

真鍋 :GO1さんが猫で、コウさんが秋葉だと厳しいですか?

GO1:無理ですね(笑)

手を見せてもらえませんか。突然アニッタ軍曹が提案する。
その繊細な手にアニッタが欲情したように見えた。

真鍋 :ゲームが強い人は、酒や煙草や麻雀や博打も強いというイメージがありますが。

GO1:酒はかなり弱いですね。タバコも吸いませんし、麻雀もできないので。博打は、ちょっとパチンコはやりますが、
    それもそんなに強くないです。

真鍋 :メルブラで愛着あるキャラとよく使うキャラは?

GO1:基本、全キャラ使うんですけど、メインキャラとサブキャラって言われましたら、秋葉とシオンです。

真鍋 :人生で一番やり込んだゲームは?

GO1:他社のゲームですけど、音楽ゲームの「ギターフリークス」です。小学生6年生くらいの頃から「ギターフリークス」や
    「ドラムマニア」をやってましたので。その前も「ザ・キング・オブ・ファイターズ」を結構やったんですけど。

真鍋 :では最後に。あなたにとって、メルブラとは何ですか?

GO1:いやあ、色んな友達とも出会えましたし、闘劇にも優勝させていただいて、ほんとにもう、
    人生でいい思い出が出来た、大事な、思い入れのあるゲームです。

真鍋 :ずっと続いて欲しいですか? そろそろ使い回しやめて終わって欲しいですか?(笑)

GO1:いやー(笑)、もうちょっと続いて欲しいですね。

真鍋 :来年の闘劇でもメルブラが出て欲しいですね。

GO1:あって欲しいです!!!

真鍋 :そうしたら、来年もまた優勝して欲しいですね。

GO1:ぜひ!

  

気になるあの人物のこと

このような雑談で時間は過ぎていった。最後に気になった質問を向けてみた。
GO1氏はどのように反応するか楽しみな質問であった。

真鍋 :ウメハラとメルブラ勝負したら勝つ自信はありますか?

GO1:勿論あります(断言)。実際やってみないと分かりませんが(笑)、でも、自信はありますね。

真鍋 :ウメハラさんは尊敬してます?

GO1:すごいと思いますね。あの昇竜拳はもう、見てて笑うしかないですね。

私は近い将来、このGO1氏がウメハラ氏と共にプレイヤーとしてアーケードゲームを引っ張っていくのではないかと
大いに期待した。GO1氏だけではない、闘劇やハイドラGPで彼らに続く「輝くプレイヤー」が出てくることを。
そのためにも、私はハイドラGPを力の限り運営していこうと思う。 (クリムゾンベース西宮にて)

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